2025/09/23 09:01

武州正藍染めの伝統工芸士、新島大吾さんに「なかむらさんはどうしたいんですか?」と何度も聞かれた。私はどうしたいんだろう、そう考えて気がついたら10年以上が過ぎている(笑)
藍染が好きなのか、それとも別のところに「こだわり」があるのか。
悩み悩んで、これといった答えが見つからず、藍染をやめることもせず。ヒントが欲しくて、京都の染めの伝統工芸士、川崎先生や木村先生を訪ねたりもした。生み出される美しい染めものに見入る。何より、地味で細かな作業。道具ひとつひとつにこだわり、片付けにも手を抜かない。「ものづくりとは何か」を考えさせられた。
今年4月。
「やってみるしかないかも」と漠然と思う。
「何をやってみるのか」が明確ではなかったけれど、「どうせうまくいかないだろう」と何かをあきらめている自分がいる気がしたので。

何でもいいから、やってみたらいいのだ!
その「やってみよう!」の第一歩が沈殿藍づくりだった。沈殿藍ができたら、今度は「染液」が作りたくなった。染液づくりに試行錯誤の毎日。で、気が付いた。なぜ私「試行錯誤」してるのだ??
そうか、私は、自然であること、美しいこと、人や環境に優しいこと、嘘がないこと、丁寧であること、気持ちが良いこと、楽しいこと、そういうことにこだわっていたのか。そして、それを表現したいのだ。

どのように?
手ぬぐいなどを「染めること」を通して。
そして、これらを「語る」「教える」ことを通して。

やっと、「どうしたいのか」が分かった気がする。